おススメの書籍紹介をしま~す。
今回は
『農業大国アメリカで広がる「小さな農業」~進化する産直スタイル~』
農業大国アメリカで広がる「小さな農業」 進化する産直スタイル「CSA」
- 作者: 門田一徳
- 出版社/メーカー: 家の光協会
- 発売日: 2019/05/16
- メディア: 単行本
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という本です。
この本では、小さな農業が生き残るためにCSAという方法を教えてくれます。
CSAとは、のCommunity Supported Agriculture略で
日本では地域支援型農業と言われてます。
CSAの仕組みとして
生産者と消費者が小売業者や流通業者を通さず直接つながり
継続的に農作物や食材を取引する方法です。
一般的に多いのは、まとめて半年や一年分を前払して
定期的に農作物を消費者に渡しています。
そうすることのメリットとして
生産者は経費を抑えること、事前に売上確定して収益を安定化できます。
消費者はスーパーなど小売店より割安で、完熟した新鮮な野菜を購入することができる。
とありました。
(ただし、都市農業だとスーパーより割安になると成り立たないリスクがあるので
この点だけは都市農業には適応できないかもしれません)
CSAでは、一度支払った会員に
段ボールやプラスチックの箱、袋などに
6~10種類の野菜のセットを詰めて農作物を渡します。
個別に宅配する場合もありますが
多くは教会や公園などの会場で渡すことが多いようです。
CSAは野菜や果物以外にも、魚や家畜の肉、パンなどのパターンもあり
地域社会に必要なシステムの一部となっています。
アメリカで、こういったCSAの活動が広まった背景には
実は日本と同じようなことがあるそうです。
まずアメリカの農業というと大規模農業のイメージが多いですが
大規模農家は全体の4%程度とのことです。
それ以外は中小規模の農家さんが多いみたいですね。
(とはいえ、小さい農家といっても都市農業ほど小さくはなく
10haぐらいは持ってるみたいですが・・)
あとは日本と同様に、流通業者、小売業者への利益が大きく
生産者への手取りが少ないこともあります。
むしろ日本よりも、とり分は少ないようですね。
この本では基本的なCSAの事例だけでなく
いろんな形のCSAがあることを教えてくれてます。
今回は、個人的に面白かったものをいくつか挙げます。
ひとつは地域通貨で有名なイサカアワーのある
イサカでCSAが進んでいること。
(イサカアワーを詳しく知りたい方は
「エンデの遺言」という本か番組をご覧ください。)
イサカではほかの地域に比べ30倍も
浸透しているとのこと。
確かに地域通貨とCSAの相性はあいます。
そもそも世界観が似ていることから
浸透しやすいのだろうと思います。
イサカには、いずれ現地調査しようと思います^^
あとビジネスとして参考にしたいのは
職場CSAという考え。
これは、受取場所を教会や公園などではなく
職場にもってきてもらって
そのまま家に持って帰るというもの。
実は都内の会社の職員のニーズとして
また福利厚生のニーズとして
社員が良質な農作物を食べることが求めれており
いろんな企業が野菜を食べる機会を増やしています。
(この点は長くなるので別の機会に)
この職場CSAはかなり可能性を感じています。
都市農業でも流通が課題になっていますが
やり方によっては都心の職場で受け取り
そのまま自宅に持って帰るということも可能かもしれません。
ただ、満員電車に巻き込まれたら
どうかなという疑問も残りますが
畑会としては、この職場CSAをやれないか画策中です。
あともう一個気になったのは
会費無料のワークシェア会員という制度
これは文字通り農作業をやってくれるなら
無料で野菜をあげるよといった仕組み。
イサカの「フルプレート農場集団」というところで
導入されていました。
これは、都市部における貧困の格差の解決。
都市の農家さんの労働不足の解決にもつながる
仕組みかなと思っています。
もちろん、農地を「また貸し」のような体制にしてしまうと
違反になってしまうので
一緒に行動して管理できる体制が必要にはなりますが。
この仕組みの導入も
ある農家さんでできないか検討しているところです。
また進捗があったならば、こちらで報告しますね。
とりあえず、特に参考になったところを
お伝えしました。
正直、ほかもかなり面白かったので
別の機会で語りたいなと思います。
最後になりますが
日本でもCSAの波は起きていますし
全国にいくつも実はCSAがありました。
近場で言うと
神奈川県大和市の「なないろ畑農場」さん。
私は行ったことはないですが
畑会の舩木が訪問して現状を聞かせてもらいました。
またCSAと似たような制度として生協もあります。
もともとは日本も似たような文化も仕組みもあり
どこかのタイミングで一気に地域の農家の
また小さい農業の主流にCSAはなるかもしれません。
私たち畑会もCSAを、小さい農業を盛り上げていきます。
今回は挙げませんでしたが、もちろんCSAにも、いろんな課題もあります。
どこかのタイミングでCSAの勉強会もやります!
農業で地域を活性化したい方は、メッチャ参考になるので
ぜひぜひ読んでみてください!^^