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コラム【東京の野菜がおいしい三つの理由(前編)】

前回の「東京の野菜はまずい?」の続きで

hatakai802.hatenablog.com

今回は、東京の野菜の美味しい理由を話します。

 

私は八王子に住んでいて東京の野菜がおいしいなって感じてました。

これは単に自分が農家さんと関わって愛着があるから、美味しく感じるのかなと思っていましたが、あることがきっかけで、そのことが確信に変わりました。

それは東京都心で行った八王子の野菜を使ったワークショップを行ったときのことです。

3回ほど直接自分が野菜をもっていき料理をしたのですが、3回とも参加者お客さんが、

「こんなに美味しい野菜はどこに売ってるんですか?スーパーにはありません」

のようなことを、みなさん口を揃えて言っていたのです。

それに驚き「東京の野菜って実はおいしいんだ」という認識になりました。

ただ、なぜ美味しいのだろうと、その理由があまり分かりませんでした。

もちろん、作る人や技術、時期、気候、品種などによって全ての野菜が美味しいとは言えませんが、ある一定の共通項があるのではないかと考えていました。

 

そんな中、その答えを畑会で主催したセミナーで知ることとなりました。

 

以前、畑会主催のイベントで

野菜目利きの専門家の方を呼びして、野菜のワークショップを企画しました。

お呼びしたのは、内田悟さんという方です。

この方は築地でレストランや、やさい塾をやっている専門家です。

野菜の目利きでは、かなり有名な方のようで、本も何冊か書かれています。

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(株式会社 築地御厨HPから

 HP:https://www.yasaijyuku.com/takuhai/profile/

 

その方が、おいしい野菜の3つの要素を話していました。

その3つというのが

1、旬

2、品種

3、鮮度

と言われていました。

 

実は、この3要素を東京の野菜が満たしていることが多いのです。

長くなるので、今日は2つだけ話してみますね。

 

1番目の「旬」についてです。

 

内田悟さんが言うには、旬であれば、一般的な慣行栽培であったとしても旬以外の時期のものより、生命力が高く比較的おいしく、栄養素もあると話していました。

 

東京都の畑の特徴のひとつとして

・ビニールハウスではない露地栽培が多いこと。

・農薬不使用や有機栽培(非認定)が多い

ことが挙げられます。

 

露地栽培で農薬不使用だと虫に食べられるリスクが増えます。

しかし、旬の野菜だと生命力が強く虫に食われにくいという傾向にあり(もちろん、肥料過多や土力が弱いと、そうでもないですが)結果として旬の野菜が直売所などに多くなります。

 

個人的にも、野菜は旬のものばかりを買います。

内田さんが言うには

「栄養学では野菜を何種類、何グラム食べればいいといわれるが、私は旬のものだけを選んで食べている。偏っているように見えるが、それが自然の理にかなっていて結果として病気などにならない」(要旨)

と仰っていたことがとても印象的でした。

 

あと、意外に私たちは野菜の本当の旬を分かっていません。

スーパーに行くと、どの季節でも同じような野菜が常においてあることもあり、うとくなっています。

気になる方がいらっしゃれば内田さんの本をおススメします^^                      

 

補足として、旬の野菜のデメリットを挙げるとすると旬のものを作る農家さんが多すぎて大量に出回って価格が暴落することです。

消費者にとっては喜ばしいことですが農家さんにとっては、本当に美味しいものが安い値段で売られてしまうというジレンマがあります。

農家さんから直接買う場合は気持ち高めでも買ってもらえたらなと思います^^

 

  

次に2番目の品種についてです。

これは単純においしい品種かどうかですね。

 

都市農業の特徴の一つとして、少量で多品種の栽培している農家さんが多いです。

 

その理由としては 

・東京の農地面積が小さく大規模にできない

・消費者が地域の人達に直接販売していること

・東京のいろんなニーズや情報に触れていること

などが背景にあります。

 

そのために地方に比べて珍しい野菜を作る傾向にあります。

情報の流れも速く結果の出たいい品種は、来年にはいろんな農家が使い始めるなどの傾向にもあります。

そういったこともあり東京では味のよい品種が厳選されていくようです。

  

品種の話になるとF1種か固定種かなどの議論もあり、どちらがよいわるいは一概には言えません。

F1は美味しくないと言われる人もいますが、大量生産型や形重視のものでなければ美味しいなと思う品種はたくさんあります。

※参考記事 「固定種」と「F1種」の違い

https://ing-hompo.com/modules/post/index.php?content_id=102

  

逆に、江戸東京野菜のような伝統野菜を大事にしている農家も多く伝統野菜独特の深みのある味もありそれぞれの良いところを大事にしながら東京の畑にはいろんな品種が豊富にあります。

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(写真は多摩・八王子江戸東京野菜研究会から)

スーパーでは並ばないものも多いためぜひ、時間に余裕のある時は、地域にある野菜の直売所を訪れてみてください。

常に品種も変化しているため、毎回行く度に新たな発見があるかもしれませんね。

 

ということで東京の野菜がおいしい3つの理由の2つを話しました。

 

次回は3番目の理由を話したいと思います^^

 

続き↓ 

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